2008年6月20日金曜日

金刀比羅宮 表書院「金刀比羅宮の屏風展」

金刀比羅宮表書院。
普段は、どどーんと応挙の襖絵がある、鶴の間・虎の間・七賢の間に、
金刀比羅宮所蔵の屏風絵が並べられている。

松本山月の野馬図(六曲一双・押絵貼・各118.8×303.0・紙本墨画淡彩)は、
不思議にどろんとした感じの画風。現代的な感覚では、「あんまり格好よくない」。
でも、描き込みに手を抜いている風ではなくて、そして形態がおかしいわけでもない。
あっさりしているのに、細部は細かい。
そして、意外にも在世期は古い。1650~1730。
で、帰ってきてから、ほんのすこしだけ調べてみた。養父松本山雪(?~1678)から伊予松山藩の御用絵師を継いだ画家らしい。
画風も養父から受け継いだものとか。
山雪って。狩野山雪と紛らわしい・・と思うと、作風的には確かに京狩野系だとか。
松本山雪は、『古画備考』にも載っている画家なのか。知らなかった。
愛媛県立美術館で、「松本山雪ー桃山と江戸のはざまにー」展をされたそう。(2007年)
図録見たい。

他は、尚信の新出の屏風絵と、探幽の(という解説の)山水図屏風。
山水図屏風は、紙継ぎ幅がえらく広い。

上段の間「瀑布図」(応挙)は壁貼付なので、出張していなくて、良かったです。
つやつやしていてとても綺麗。
滝の水が真っ白。他の部分の明度を全部おとしているので、浮き上がって見える。
白がこんなに白いということに、驚く。

せっかく香川に行ったのに、饂飩食べてないのが、残念すぎます。


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金刀比羅宮 宝物館常設展示

四国へ行ってきました。
まず香川のこんぴらさんへ。
こんぴらさんといえば、表書院の障壁画・・応挙とか・・が有名ですけど、
今は展覧会で出張中。
なので、宝物館の常設展と、特別にやってらっしゃる屏風絵の展示だけ見て参りました。

宝物館。
どういうことだろうか・・・と、最初にとっても不審に思うのは、展示ケースのガラスが
あの、旧式の、表面がデコボコしたやつだっていうこと。
昭和初期までころの古い建物の窓に、はまっていますよね。あのガラス。
アレは、むこうの風景が歪んでにじんでちょっとノスタルジックな感じになるので
普段は好きですが、展示ケースとしては、いただけない感じがします。

宝物館の展示は(まあ、脈絡無く)、色々出していらっしゃる。
目立って良かったのは、為恭「琴棋書画図小襖」(4面・
紙本金地着色・24.0×43.6)
為恭の作品に対しては概して、綺麗なんだけど物足りない、という気持ちを
これまでは持っていたのだけど。
この絵を見て、認識を変えなくちゃと思った。
やわらかいのにどっしりした人物表現で、しかも、「琴棋書画」っていう画題の定型的なイメージが全くない。
唐人風おっちゃんの琴棋書画じゃなくて、上代純和風のかわいい女の子の琴棋書画だからかな。

探幽の「文殊菩薩並びに牡丹図」(三幅対)は、さらっとした感じ。
でも探幽は、掛幅のような縦長の紙面に描いたものよりも、
襖とか屏風とかの、横長の構図に描いた絵のほうが、断然良いと思う。探幽の描く空間って、
横への広がりこそが、大きいんだと思うから。

あとは、田中納言とか原在泉・森寛斎などなど。
総じてあっさりすっきり上品な絵。



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2008年6月17日火曜日

引っ越してきました

以前のブログが、運営母体の都合で閉鎖されることになりましたので、
こちらに引っ越しをさせていただきます。。

改めて、宜しくお願いいたします。




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