2008年8月3日日曜日

京都・アートゾーン神楽岡「PORT DI STAMPA」


PORT DI STAMPA・・・版画の原点(港)みたいな意味らしい。
京都市芸大版画在学の6人展。

こちらへは初めて行ったのですけど、建物わかりやすくて広くて大きくて明るくて天井高くていいですね。
作品数は30点弱。点数が多くて、充実した展示。
版画で値頃な良い作品買いたい人は、ここに来たら喜んで買っちゃうかも知れません。

6人展なのですが、私的には中村桃子さんと堂東由佳さんが素敵です。

中村桃子さんの〈植木鉢女〉、〈地層女〉、〈岩男〉・・のシリーズ、
単純に自然の擬人化なのでも、人体変化の一種なのでもないところが、見ている目を引き留めてくれます。
黒い線の密集したかたまりの中に差し込まれた、ピンク色のほっそりしたスイートピーのかたちが、
絶妙に可憐。しかもその黒いかたまりが女の子の頭なんて、上手い。

堂東由佳さん。
関係無いかも知れないけど値段安くないですか。周りに合わせればもっと高くて良いのでは。
対になってる〈dead or arive cat〉と〈dead or arive bird〉が大作で、良いですね。
catの方は黒地に白で猫文様のバリエーションの反復。birdの方は白地に黒で鳥文様。
鳥の方、展示場所にマッチしていて特に素敵です。
遠目では、ひだまりの中でゆらゆら揺れる白レースの掛布。
繊細な陰影の襞かと思いきや、近目では結構シュールな鳥のイラスト。細かい鳥模様のかたちにバリエーションがある。
でも全部違う形というわけでもなく、同じ形が規則的に(どういう法則性かちょっと読めないけど)
反復されていて、画面全体にリズミカルな調子を生み出している。
この細かい模様の配分で全体の形態と色調を決めているのね。
細かい作業と大きな画面全体の作業との連動がきれい。



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