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野間記念美術館へ行くのは初めてでした。
場所は、メトロの護国寺の駅から徒歩20分ほどのところ。
静かな住宅街の中でもひときわ、うっそうと木々の茂るお庭に囲まれた館。
展示は、
竹内栖鳳・上村松園・西村五雲・橋本関雪・土田麦僊・榊原紫峰・
三木翠山・小野竹喬・徳岡神泉・伊藤小坡・菊池契月・川村曼舟・梥本一洋・
堂本印象・福田平八郎・山口華揚・上村松篁、etcと、今尾景年。
画家それぞれの画風が多様。
上村松園・西村五雲・橋本関雪・土田麦僊・榊原紫峰・三木翠山・小野竹喬・徳岡神泉、
この人たちが同じ師に就いたということを、絵を見るだけではなかなか想像できない。
それが、栖鳳という人の幅の広さなのかと思う。またそれが、近代の京都の風向なのかなとも思う。
各画家について常々感じていたことを、fumiさんに喋ってみる。
意見が一致することが多くて、感覚って共有されるんだな・・と、不思議な、嬉しい気持ち。
紫峰ってほんとバタ臭いね(でもそこがいいんだ)、とか、福田平八郎なんでこんな位置に落款?、とか。
五雲の十二ヶ月図の構図の不思議さに首を傾げたり。
栖鳳の作品は粋な小品が多い。
土田麦僊の《春》は・・大変な力作です。
写実で得た形を、決して生では使わず、いい形だけ取り出して、その形を
まるでパズルをするときのような適切さで、画面上に嵌め込んで再構成している。
絵を作る上での構想はとても意図的に練り込まれていると感じさせますが、
その作画の過程は綺麗に隠されて
最後の一番美味しい形だけが残されて完成している。という印象。
あんまりよく知らないけども、よく出来た京料理ってこういう感じなんじゃないかな・・。
「よく出来た京料理」。この展示の作品は結構みんなそういう感じがします。
自然にある物を、その綺麗さや雰囲気のいいところを残しながら、決してナマでは使わず、
薄味に仕上げてるんだけど、たっぷりのだしを含ませている。
ちょっとぬるい。味も温度も。けどそのぬるさがいわゆる「上品」で、味わっているうちにはまってしまう。
今回あらためて凄い人だと思ったのは、上村松園。十二ヶ月図の表現のキレの良さは尋常じゃない。
特に十二月、《降雪》。
古いものの形を借りているのに、こんなに新鮮な形に描けるなんて。
ここでは、すごくいい時代の、いい京都を見てきた気がします。
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