2008年7月9日水曜日

Oギャラリーeyes「羽部ちひろ展」

油彩で描いてらっしゃる作家さん、羽部ちひろさんの個展を拝見しました。

キャンバス画5点、小さく薄い厚みの板絵2点、
小さな厚紙に描いたもの1点(これがDMの絵だった)。
何れの作品も、ぬるぬるとした油絵具の素材感と、ゆっくり置いた筆触とが相まって、
モティーフの表現にモッタリした重みというか、量塊感・密度の高さが出ている。

絵としては、不可思議系。
ベッドの掛け布団が冬の雪山の景に化けていたり、だまし絵の系統。
でも独特なのは、幻想的に介入してくる絵柄が必ず雪山だってこと。
それも牧歌的で概念的な雪山。
何故雪山? ・・不思議な。

同じモティーフを、言わば持ちネタ、十八番として繰り返すこと。
それによって、もともとは小さな意味から出発して出てきた(かもしれないような)形が、
次第次第に、雪だるま式に、形態と内容の面白さを増加していって、もう表現には不可欠な重大性を帯びていくような。
この雪山に、そういう表現性が獲得されていく
途上の形態を感じ取ったのだけど。勘違いかしらね。



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