2008年7月11日金曜日

オオタファインアーツ(Ota Fine Arts)「携帯電話の電源を切ったとき、絵画は雄弁に語りだす」

勝どきの、オオタファインアーツに行ってきました。
場所が・・・・わかりにくいです。特に、入り口がどこかわかんない。
一人で行っていたらたどり着くことを諦めていたかも。

なんとか会場に入れて、拝見。
出展の作家は小池真奈美さん、樫木知子さん、フィロズ・マハムドさん。

小池真奈美さんの絵ははじめて見たのだけど、ぞくぞくする怖い絵。
絵の中に登場する女の子が、次見た瞬間には首がもげていそうで怖い。
頭が体に比してとても大きいからアンバランス。黒髪のボリュームがさらにそれを増加している。
描線が細かく滲んで、全体的に輪郭はボケている。なのに、クリアな鮮やかさ。
つまり、ピントは合っているのにレンズが濡れててうまく映し出されない、みたいな。
自分の目がこんな像を映し出すようになったら、気持ち悪くて狂いそう。
絵の主題は落語から来ているのだって。
でもなんで絵の中の女の子が着ている着物は、大正末~昭和頃の銘仙とか御召なんだろ。
落語の世界にしては中途半端に古い年代設定じゃない。
でもそういう不思議感がいいのか・・。確かにレトロな懐かし感がある。


樫木知子さん。作品は3つ。
ふたつは新作で、ひとつは、3年くらい前に京都芸大の作品展で見たことのある作品でした。
新作は、とても横長もの、と、縦長のもの。

横長の分はタイトルが長い。
「土の丘 下には根 上は網の枝 枝の向こうはコウノトリ 間でひとは蟻さがし、もしくは 石ころに似せた石ころそっくりの絵を描く」。
雪崩れ落ちていくような流動的な形態感が、見ている私自身の足元にまでしのび寄ってくる。
芋虫みたいになってしまった人体が、「かなしい」と思うんだけど、そういう感じ方はおかしいのかな。
どうしてもこの絵を、無感覚で無音な地獄絵というふうに感じてしまう。
不幸な絵。
でも色の階調がきれいで、心揺さぶられる絵。



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