2008年7月12日土曜日

三井記念美術館「美術の遊びとこころⅢ NIPPONの夏ー応挙・歌麿・北斎から〈きもの〉までー」

いつも思うことだけれど、三井記念美術館の企画展は上品・・・。
茶道具とか書とか拓本とか。
今回の展示の主題は「夏」。見ているだけで涼感が漂ってくる。

とりわけガラス製品の鮮やかな色味に目が吸い寄せられる。
〈色ガラス製虫籠〉(19世紀)は、総ガラスの虫かごで、こんな展示でない限り
なかなかお目にかかれないのじゃないかしら。
華奢で儚いのに、華やか。
夏の夜の縁側に置いて、月の光にキラキラ光らせて
鈴虫でも入れて鳴かせたら、どんなに涼しいことだろうな。
ほかにガラス製の簪やキセルもある。ぽっぴんは初めて見ました。

絵は、応挙の〈青楓瀑布図〉(サントリー美術館)が出ていました。
つい最近こんぴらさんでも瀑布図を見たので、続けさまで応挙の滝を見ている。
関連して、千總さんの保津川図屏風が見たいなあと、思いながら見ていました。
(そして偶然にも、次に行った東京国立博物館で出してらっしゃって、見ることが出来ました。)

クーラーはもちろん、冷蔵庫も無い時代の「夏」の風物。
よく考えてみれば、
涼しい絵を描くことやガラスの飾りものを作ること、
あらゆるお道具に涼しげな意匠を凝らすこと、衣料や家屋を工夫することに、
今、クーラーや冷蔵庫やアイスにかけているような費用や労力の全てを傾けていた、とも言えるかもしれない。
ただ単に部屋を閉め切って空気を冷やして夏を凌ぐのは、便利とはいえ詰まらないことね。
と、思ってしまうくらい、涼の風物が素敵だった。





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